任意整理中に10万円以下のスマホを分割で購入するのは、原則として難しいですが、条件次第では審査に通る可能性もあります。
任意整理をすると信用情報に「事故情報」が登録され、一般的な分割払い契約は非常に通りにくくなります。しかし、スマホの機種代が10万円以下であれば、一部で審査が簡略化される場合があり、過去に延滞がない、安定した収入があるといった要素が揃えば、例外的に通過するケースも見られます。
任意整理中に10万円以下のスマホを分割購入できる可能性は?
任意整理を行うと、借金の返済が難しくなった旨を債権者と話し合って返済条件を変更する手続きで、信用情報機関に「事故情報(異動情報)」として登録されることがあります。
この登録がある間は、カードローンや分割払いといった“与信”を伴う契約に対して審査が厳しくなる傾向があります。つまり、任意整理中というだけで「返済能力が不十分ではないか」と判断されやすくなります。
一般的には、完済からおおよそ5年程度はこの登録情報が残るとされており、信用情報の回復を待つ必要があります。

任意整理中=信用情報に障りあり、分割購入は要注意です

分割払い契約に必要な信用情報の条件

スマホを分割購入する契約は、実際には「端末代金を分割で支払うクレジット契約」と同じ扱いになるため、携帯電話会社や信販会社は契約申込者の信用情報を必ず確認します。この審査では、以下のような条件が重視されます。
- 過去の借入や返済の履歴に延滞や事故がないか
- 現在の勤務状況・収入が安定しているか
- 今後きちんと分割を支払う見込み(=支払い能力)
このため、任意整理履歴があったり、過去に携帯料金の滞納があると「分割払いが継続できるとは言えない」と判断されやすくなります。
10万円以下でも分割審査が通りにくい理由
たとえスマホの機種代が10万円以下であっても、分割払いの審査には次のようなハードルがあります。
まず、任意整理のあと信用情報に事故情報が残っている場合、分割払いそのものを「ローン扱い」と見なされて審査拒否される可能性が高くなります。
また、携帯会社では通話・通信料の滞納履歴を独自に管理する「携帯ブラック」データベースもあり、ここに登録されていると、機種代が少額でも審査が通りづらいです。
さらに、審査が通ったとしても、いつもより高い金利・短期の支払いなど不利な条件になることがあります。

機種代が安くても“信用”がなければ通りにくいです
条件次第では10万円以下のスマホ分割が通る
少額端末で審査が緩和される例
機種代金が10万円以下であると、法律上「少額店頭販売品」として割賦販売法の例外扱いとなり、審査手続きが簡素化される場合があります。
つまり、分割審査において「支払能力を細かくチェックしなくてもよい」という認められた枠があるのです。実際、任意整理中であっても、10万円以下の端末を選んだことで分割審査が通った例が報告されています。ただし、この「可能性が高くなる」というだけで、必ず通るわけではありません。
通信料金の支払い実績が与える影響
スマホの分割契約を申し込む際、機種代金だけでなく、通信料金(回線利用料)に延滞や滞納がないかどうかも重要な評価対象になります。
例えば、毎月の携帯料金を遅れずに払い続けてきた実績があると、「この人は支払いをきちんとしてきた」という信用材料になります。
逆に、通信料金を滞納した過去があると、端末代金分割の審査がかなり厳しくなります。したがって、任意整理中であっても、通信契約を滞りなく続けているかどうかが鍵となります。
安定した収入や雇用状況が評価されることも
分割払いを承認する際、通信会社や信販会社は「今後もきちんと支払えるか」という視点で収入や雇用状況を確認します。
たとえば、正社員として安定的に給与を得ている、勤続年数が長い、勤め先が大手・安定企業である、といった条件があると審査で有利になります。
任意整理中という信用情報上のマイナス面があっても、こうしたプラスの要素があれば例外的に審査を通る可能性があります。ただし見込みは“可能性”ですので、過信は禁物です。

安定収入=審査のプラス材料になります
通信会社ごとの審査基準の違い
実は、どの通信会社・販売店を選ぶかによって、分割審査の厳しさに差があります。
大手キャリア(例:ドコモ、au、ソフトバンク)は審査基準が比較的厳しく、信用情報に問題があると対応が難しいことがあります。
一方、サブブランドや格安スマホ会社では、審査が緩めに設計されていたり、分割ではなく一括少額での販売を行っていたりするケースもあります。
そのため、任意整理中の方は「どこで契約するか」も重要な検討ポイントです。
審査が緩めな格安スマホ会社
ロケットモバイル
| 料金 | |
| 審査の通りやすさ |
数百円の激安プランあり
ロケットモバイルは業界最安級の月額料金(神プラン)が最大の特徴。特に「月額数百円で運用可能なプラン」は他社にはない魅力です。
速度は控えめですが、「スマホが持てること」「最低限の通信ができること」が目的であれば十分。審査も比較的緩く、クレカ不要・口座振替も対応しており、使い勝手の良い格安SIMです。
誰でもスマホ
| 料金 | |
| 審査の通りやすさ |
審査が通りやすくスマホを持ちやすい
「誰でもスマホ」は、名前のとおり審査が非常に通りやすいことで知られています。任意整理や自己破産直後でも通過例があり、スマホブラックでも契約可能な数少ないサービスです。
料金は格安SIMの中ではやや高めな印象ですが、「スマホが使えること」自体が最優先という方には非常に心強い選択肢です。
LIBMO(リブモ)
| 料金 | |
| 審査の通りやすさ |
リブモは静岡発の地方発MVNOですが、全国対応で料金の安さが魅力です。シンプルなプラン構成と安定した回線品質が評価されており、通信速度も比較的良好。審査については、他の格安SIMと同様に信用情報に応じて判断されるため、信用情報に傷がある場合は通りにくい可能性もあります。
任意整理中にスマホを分割で購入する際の注意点
審査落ちによる信用情報への追加影響
分割契約の申込みをして審査に落ちると、その「審査拒否の記録」が信用情報に残ることがあります。
つまり、既に任意整理で信用情報が傷んでいる状態で更に「審査落ち」が加わると、今後のローンやクレジットカードの審査時に不利になる可能性が高まります。
よって、「可能性が低いなら無理して申し込まない」という判断も重要です。審査落ちを機に更に信用が損なわれてしまうと、今後の生活において不利益が拡大するかもしれません。
審査申込のタイミングとリスク
任意整理中は返済計画が進行中であるため、スマホの分割購入を急ぐあまり、返済計画に支障をきたしてしまうと本末転倒です。
また、任意整理が成立した直後など、信用情報がまだ“回復していない”段階では、分割審査通過の見込みが非常に低いことを理解しておくべきです。
さらに、契約後に支払いが滞ると、端末が取り上げられたり強制解約になることもあり得ます。したがって、申込は「返済が落ち着いてから」「支払い余裕があるか確認してから」が賢明です。
一括購入や中古端末という代替手段
スマホをどうしても新しくしたい場合、分割購入にこだわらず以下のような代替手段を検討するのが安全です:
- 機種代金を一括で支払える範囲の端末を選ぶ
- 中古スマホを購入することで初期費用を抑える
- 家族名義で契約してもらう(ただし支払い義務者を家族にする必要あり)
これらの方法であれば、信用情報の影響を受けにくく、任意整理中でも比較的リスク少なくスマホを持つことが可能です。








